ミドリのひとりごと

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<<   作成日時 : 2017/07/05 16:07   >>

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その子二十歳(はたち) 櫛(くし)に流るる黒髪の おごりの春の うつくしきかな

さっき急に口に出てきた与謝野晶子の短歌。

実は、先日の公演で朗読した歌。

「くろかみは平坦に読まないで。これ、熊本でのことだから」

そう言われたのに、二日目はうっかり平坦にしてしまった。

「洋楽の人は、短歌、和歌を読むのがへただねえ。よーくわかったよ」

鴨下先生にわからせてしまったのは、私。

「あのォ、私、民謡、浄瑠璃、謡、大好きなんですけど…」

などと口ごたえしたら、また大目玉。なので、もちろん口にせず。



ここから、詩的に行こう。


         ー  道玄坂上にて  ―

滅多に歩かないみち、道玄坂。

あんなゆるやかな坂なのに、今のわたしには少々きつい。

歩道橋のなんとさびれていることよ。

まるで昭和30年代。

手すりを持つ手までが錆でよごれそう。

直ぐそこにピカピカのヒカリエがあるというのに、すっかり忘れられたボロボロの歩道橋。

もうすぐ処分されることが見て取れるような在りように、心が疼く。

用事を終えて再び歩道橋を渡ることは避け、横断歩道を歩く。

あ、そうなのね。ここは青山通りになるんだわ。

古本屋に入る。横開き、自動ドアではない。

ぷーん、とあのニオイ。

詩の本を読みだしたら、止まらなくなった。

店主ではなさそう。本好きのアルバイトの人かな?懸命に本を読んでいた。

こちらを見遣ると、か細い声で、

「いらっしゃい」

いらっしゃいませ、とは言わない。それもなんだかいい。

ワクワクしてきた。どの本を手にしても汚い。それもなんだかいい。

これだ、と手にとる瞬間のドキドキ。それもなんだかいい。

小一時間。その間、お客は男性がふたり、女性がひとり。

三人とも、束の間の滞在。顔は見ていない。

あの独特のニオイにもすっかり慣れてしまった。

一冊、8000円?これは止め。そんなにこの本、貴重なの?…かもしれないナ。

3冊をあきらめ、3冊を購入。昔なら購入したのに。自重、自重。

「よろしければこれをお使いください」

と、ぬれティッシュが出てくる…はずもない。

「ありがとうございました」

さっきよりは少し笑顔。

そのまま、ホクホクした思いで外へ出る。

帽子屋さんか。いいな、でも高そう。

あ、あれ、阿刀田さんに似合いそう。

奥から店主がこちらをちらっ。

20メートルほど歩く。

あら?ここにアシックス。

前に義妹(いもうと)からもらったウォーキングシューズは、えらく重宝した。

「そろそろ、あたらしいのにしたら?」

と夫に最近言われたばかりなので、なにげに店の中へ。

初めて、機械で足のサイズを測って戴く。

「お客様は24センチですね、靴下を履く靴ですと24,5センチがよろしいかと」

あれやこれや考えて、一足いただく。

「こちらはセール対象外でございますので○○○円でございます」

あのォ、実は義妹はアシックスの創業者、鬼塚喜八郎の娘なのですが…といえば、一割くらい引いてくれたかもしれないのに、などと冗談で思いつつ、正規の値段で買う。
店の人は、会話の最後に「へへへ」と少々品のない、というか私好みではない笑い方をする人だった。
アノ笑いは余計だな、と思いつつも、いい買い物はできた。

(詩を書いているつもりが、やっぱりエッセイになってしまっている)

あれはあるかな?

古本と新しい靴を抱えて渋谷駅方面に向かう。

あれはあるかな?

フ−ドショーのいつものところに足早に行くと、あったあった!急きょ、「この時間帯の奇跡」と命名。お待ちしておりました、というような感じで、二つ、ポツンとさみしそうにある。よくぞ残っていてくださいました、と敬語にしたい気持ち。相田みつをさんのふるさとの、わさびの入ったお餅。本当に大好きだ。よかった、と言いつつかごに入れ、甘いのはねえ、と思いつつも、ポン、ポンと、ふたしな、みしな増やす。

鯛の頭(かしら)のいいのがあったので、兜煮にしようと二つ手に入れる。頭ひとつが750円。
なんとなく一緒にすることが憚られて、ひとつずつ、袋に入れていただく。

大きな顔を、左右別々に持って歩くなんて、なんだか怖い。

眼の下の頬の部分が美味しいので、想像していたら私の頬が緩んだ。

今度は道玄坂から青山方面に向かってみよう。


〜 幸せは 歩いてこない  だァから歩いてゆくんだね ♪ 〜








































 
  

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