ミドリのひとりごと

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<<   作成日時 : 2018/09/10 00:38   >>

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10年前のきょう、9月9日。
午後2時ごろ、その人は我が家へ来るはずだった。
いつも火曜日、その時間に二人で、可愛い布切れに綿を詰めて、ふっくらしたハートの壁掛アクセサリーをいろいろな話をしながら作っていた。時には、友人も何人か参加してくれていたけれど、なぜかその日は、みんな都合がわるかった。

体調を崩したこともあり、これからの自分の在り様に苦悩している様子の彼女を、何とか励ますためにも、意味のある時間を作りたかったのは確か。

玄関を開けると、ミドリさ〜んと甘えた声でそのまま丸テーブルへ着くと、頬杖をし、遅れて座る私の顔を食い入るように覗き込むのがいつものパターン。そんな可愛い仕草に、つい、こちらもニッコリ。

けれど、その日は、3時を過ぎても4時を過ぎても現れない。
忘れているのかしら。やっぱり、昨日の夜、お電話で確認すればよかったわ。
でも、今しても焦らせるだけになるかもしれず、もう少し様子をみてみましょう、と一人で、その日に使う生地を選んで少しずつ縫い始めていた。

5時少し前、電話が。
隣の自宅から夫がかけてきたのだ。

「夕刊に出ている!」
「何が?」
「○○さんが亡くなったって…」
「冗談言わないで。ご存じでしょ?きょう、ここへ来ることになってて、待ってるところなの。随分遅れているけれど…」
「じゃ、いいから夕刊を見にに来なさい」

新聞には、写真入りで、今朝5時半ごろ、電気コードを首に巻きつけて、46階の自室のマンションから身を投げた…と。

なにがなんだかわからなかった。
誰がこんな嘘を書いたの?
全然、飲み込めない記事だった。

なぜ、昨日の夜に確認の電話をしなかったのか…すこし時間が遅かったので躊躇したけれど、ああ、すればよかった、すれば少しは状況が変わったかもしれなかったのに、と。


あの日から丸10年。

彼女は川崎の総持寺に眠っている。

つい先日、手作りのハートの生地や作品がまとまって入った紙袋が出てきた。
それも、あの日のままで…。
ひょっとすると、彼女が、ねえ、ねえって教えてくれたのかもしれない。

     ーーーーーーー


きょうはお墓詣りに行かれなかったけど、できるだけ早く行きますね。

お母様とは、いまもお手紙のやりとりをしていますよ。時折、お電話も。
美しいお声はあなたと一緒。それを言うなら逆かしら?

あ、そうそう、あの日の少し前にいただいたあなたからの留守電は今も消せないでいます。

電話は2通。ときどき聴いているのよ。
会っているような気がして何とも言えない気持ちになって、そのあとに…ため息。

今となっては大切な宝です。


大好きな文恵ちゃん、草柳文恵ちゃん。

      今、どこで、なにをしているの?
























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